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1UPコラム

近江商人のビジネスネットワーク 2024/01/28

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近江商人のビジネスネットワーク


 私自身まもなく80才、5年前に後期高齢者になる時に一念発起して、野﨑ビジネスサービスを創業し、M&Aや経営のアドバイザリーとして、これまでの50年余のビジネス経験を、縁のある人や地域へのお役立ちをとの思いで起業しました。

 今回新たに起業した近江商人としての考え方を紹介して、皆様のお仕事のお役に立てればと思います。


組織のコンプライアンス

 そこでまず近江商人の真の力を歴史的にその成り立ちから紹介します。

 近江商人の中心的存在は日野商人で、織田信長の時代、信長にならって、家臣の蒲生氏郷は日野の地で楽市楽座をひらき、多くの商人を育て、のちに松坂・宇都宮・会津若松へと転封し多くの商人が各地へ移りました。

 又関ケ原の合戦の際、徳川家康に鉄砲三百丁を寄進し、その後幕府から「天下御免の関所札」を受け、全国の関所をフリーパスで移動できる特権を得ました。

 そして商人達は大当番仲間を結成して、その組織のコンプライアンスを徹底して安定した継続に努めてきました。

父

 又定宿制度を各街道につくり、情報や物流などの円滑な流れを確保しています。


今のクラウドファンディング

 又経営上にも色々画期的な手法がとられ、その中でも「乗合商い」の制度はすばらしく共同出資の経営で、その維持の為に複式簿記のしくみができております。

 その延長で見込のある若者の起業にこの制度が使われ、実績をあげれば更なる資金調達も可能になり、今のクラウドファンディングに近いことがすでに行われていたのです。

 この様に現代にも通じる先進的手法を創意工夫して開発していたのです。


ウィンウィンの関係

 今回の最後に、皆さんよく御存知の「三方よし」の話です。

 売り手よし、即ち仕入先を大切にお互いウィンウィンの関係を築きます。

 買い手よし、即ち買って下さるお客様を大切に正直の心で商いに、はげみます。

父


世間に還元

 そして世間よし、これが近江商人にとって大切なことで、質素倹約にはげみ、儲けた利益を己のものとせず世間に還元して、地域社会にお役立するという社会貢献活動を行うことです。

 常によそ者であることを自覚して、地域社会にお役立してはじめて、企業経営が続けることができるのです。

 今の社会では社会貢献の仕方も変わってくると思いますが、企業経営の根本にあるべき大切なことで、このことをおろそかにすれば企業として社会から認められなくなります。

 今回はこれくらいで、次回以降に起業に大切なビジネスネットワークについて述べたいと思います。







野﨑 一彦
執筆者:野﨑 一彦野﨑ビジネスサービス 代表
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慶應義塾大学 商学部 卒業
後期高齢者になる時、これまでの経験や知識を地域社会にお返しすべく、
野﨑ビジネスサービスを創業し、経営や事業承継等のアドバイザーを行っている。