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1UPコラム

タクシードライバーが語る!人物あれこれ 2016/06/08

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タクシードライバーが語る!人物あれこれ
タクシードライバーは見ている・・・


謙虚な人とは

一時期に比べ、景気も少し上向きになりつつあるようなニュースもちらほら・・・
「タクシー運転手に聞けば景気の状況がわかる」なんて言われたりもしますが、
タクシー運転手というのは、一日に本当に多種多様な方々がご乗車されます。

一方で、東京のタクシー運転手自身もまた前職はさまざま、
なんせ平均年齢が58.4歳の業界ですから。
元々経営者だった、大企業の管理職、芸能人、技術者から初めて正社員として働くフリーターさんなど、こちらも多種多様なわけです。


そんなタクシー運転手の目から見た人物あれこれについて少々・・・・


さて、「謙虚」という字を辞書で調べてみますと、
「自分を偉いものと思わず、素直に他に学ぶ気持ちがあること」
「控えめでつつましいこと」などなど書いてあります。

またビジネス書などに成功者や成功するための秘訣として、
「謙虚であれ」と書かれていることを本当によく目にします。
事実、私の周辺にいらっしゃる経営者の方々は同性であってもほれてしまうような(苦笑)
謙虚で素晴らしいお人柄の方々ばかりです。


タクシーに乗務していますと、まさにそういう謙虚な方々にお乗りいただいた時は、
本当に気持ちがいいです。
タクシー乗務員にも敬語で話してくださり、「このあともお気をつけて乗務してくださいね」といった真心の言葉をいただけます。

みなさんの中にはいないと思いますが、下記のような方はいませんか?

「おい、運転手早くいけよ!」「お前らの仕事に比べ物にならないくらいの仕事してんだぞ」
「お前らタクシー運転手が召し食えてるのは俺達のおかげなんだぞ」

・・・・これは実際、私が言われた言葉です(苦笑)
こわいお兄様方ではありません。いたって普通のビジネスマンの方だと思います。
でもそういう方に限ってしっかりした服装とブランド品などをお召しになさっています。

タクシーはサービス業ですから、運転手は
「お客様はお疲れなんだろうな」
「きっと忙しいからイライラされたんだろうな」
と捕らえるように日々努力していますが、

もし、目の前のタクシー運転手が、あなたの客先の幹部の方とお知り合いだったらどうしますか?
もし、あなたの会社のサービスを利用しているユーザーだったらどうしますか?


ある超有名な方の話をひとつ。

その昔、コメンテーターをしていたその方を夜ホテルから繁華街までお乗せしました。
予約で迎えに行きましたので、名前ももちろんわかります。
ちょうどその時間ホテルの前の道路は混雑しており、出口がふさがっていました。

すると後ろの座席から「クラクション鳴らせよ」・・・・と。
鳴らしたところで隙間は開かないのですが、言われた通り早くあけろといわんばかりの
クラクションを鳴らしました。
その後繁華街でなにくわぬ顔をして降りていかれました。

小さな出来事かもしれませんが、
今ではこんな方、政治の世界に入っております。
まぁ私が応援することはないでしょうし、そういう性格がボロとなってあらわれるんだろうなと
こころの中で思っております。


タクシーの著書を書いているどなたかの方にも
「誰がみていなくても、お天道様は見てくれている」
という記述がありましたが、
謙虚であれは、何か特定の人物や特定の時間内だけでなく、
誰がみていようがみてまいが、自分自身と向き合っていける方が、

成功を感じることができるのかもしれません。





キャベツ王子
執筆者:キャベツ王子
元経営者で元タクシードライバーのコラムニスト。

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