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ファーストワンになるには?~「味で評価されるビールをつくりたい」アウグスビール株式会社 代表取締役 坂本健二さんに伺いました 2024/12/21

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ファーストワンになるには?~「味で評価されるビールをつくりたい」アウグスビール株式会社 代表取締役 坂本健二さんに伺いました


 クラフトビールという小規模の醸造所で生産されるビールがブームとなっており、気になっている方は多いと思います。

 そこで2004年創業、クラフトビールの製造・販売・開業支援を行っている、アウグスビール株式会社 代表取締役 坂本健二さんに、お話を伺いました!

坂本さん


他の業種でやっていることを見つけてくる

 フレンドリンク編集部(以下編集部)「さっそくですが、坂本さんは『ファーストワンになることが得意』だと知ったのですが(参考記事)ファーストワンになるコツを、まずは教えて頂けたらと思います。」

 坂本さん「私はお酒の業界、カテゴリーにいますが、この業界を掘り下げて、お酒の中では誰もやっていなくても、他の業種でやっていることを、見つけてくるということだと思います。

 それはそれ程難しいことではないと思います。」


若手の寿司屋の開業支援

 坂本さん「私は(キリンビールの元社員で)社内留学制度でアメリカに行き、そのままアメリカでビールを売っていましたが、何とかしてキリンを売らないと、と思い、寿司屋をつくれば、寿司屋に来るお客さんがキリンを飲むと考え、寿司屋をいっぱいつくり、若手の寿司屋の開業支援を手伝っておりました。

 それから日本ではバドワイザーを売るために、『バドガール』(バドワイザーのロゴが大きく描かれたワンピースを着た女性)の企画をしました。」


マネをしてもらわないと、その商品は価値がないという評価

 編集部「ファーストワンになってから、困難だったことはございますか?」

 坂本さん「そうですね…始まった時はファーストワンやオンリーワンだったものが、第2、第3の(似たような)ものが発売されます。

 でもマネをされても、オンリーワンは無くなりますが、ファーストワンは残ります。

 それにマネをしてもらわないと、その商品は価値がないという評価になっているみたいなものなので、どんどんマネをしてもらわないと、と思います。」


ジャパニーズウィスキーを羨望のまなざしで

 編集部「アウグスビール㈱さんでは、マイクロブルワリー(小規模なビール醸造所)の開業支援をされていますが、それはアメリカでの寿司店の開業支援から、繋がっているのでしょうか?」

 坂本さん「似ていますね(笑)」

 編集部「マイクロブルワリーの開業支援についても教えてください。」

 坂本さん「これまで30社のマイクロブルワリーの開業支援を行っており、開業準備を含めると40社になります。

 マイクロブルワリー事業だけでなく、私たちはビールとウィスキーを融合させた工場もつくっております。

 ビールとウィスキーが一緒につくれることは、醸造学を知っていれば、誰でもわかることです。

 クラフトビールの工場の横の空いている所に、ウィスキー工場をつくることもできるのです。

 ウィスキーは瓶詰めをして、保存状態がよく未開栓であれば、長期間安定した品質を保つことができるので輸出によく、ジャパニーズウィスキーを羨望のまなざしで見られている方が多いですしね。」


将来性を考えて、新規事業としてビールづくりを始める方も

 編集部「日本のウィスキーは人気ですよね!

 これから起業や開業をしたい方へ、アドバイスをお願いいたします。」

 坂本さん「本業だけではリスキーなので、将来性を考えて、新規事業としてビールづくりを始める方もいらっしゃいます。

 それから早期退職や定年退職をして、起業したい方もいらっしゃると思います。

 でも退職されてから準備をするのでは、時間がたってしまいます。

 それなので、まずはビールやウィスキーづくりを勉強して、醸造家のサポートを、1年ないし1年半などして、ビールづくりを学んで頂きたいです。

 それから古民家再生も、大いに可能性があると思っています。」


おいしいビールをつくりたい

 編集部「最後にメッセージをお願いします。」

 坂本さん「おいしいビールをつくりたいと思っています。

 『バドガール』の企画をしましたが、ソフトが先行し、ハードがついていなかったと思っていました。」


これがラストチャンスだと思いました

 坂本さん「味で評価されるビールをつくりたいと思っていました。

 平成16年に独立しましたが、これがラストチャンスだと思いました。

 タンクから直接飲むビールが一番うまいんです。

 酵母は生きているのです。 

 マイクロブルワリーは、隣でつくったビールを、運んで頂ければいいだけです。

 『輸送費ゼロ』のビールを飲める環境です。

 『どぶ』と呼んでいる、タンク中の生きた酵母がそのまま入った無濾過ビールの商品化が、できると思いました。

 とてもおいしいビールがいっぱいできるようになって、それがいろんなところで飲めるので、大変良い世の中になったと思ってます。」

 編集部「本日はありがとうございました!」

 坂本さん「こちらこそ、ありがとうございました。」


【参考記事】
湯島本郷マーチング通信 まちの人 
https://www.yushima-hongo.net/persons/3597/


今回お話を伺ったのは

坂本さん
アウグスビール株式会社 代表取締役 坂本健二さん
https://augustbeer.com/microbrewery

1954年生まれ
慶應義塾大学経済学部卒
キリンビール株式会社入社。
在職中にウィスコンシン州立大学経営大学院へ留学、MBA取得。
キリンUSA副社長、バドワイザー・ジャパン営業統括本部長、ベンカイザー・ジャパン社長、
ジャーディン・ワインズ・アンド・スピリッツ常務取締役を経て、平成16年アウグスビール株式会社を起業する。







フレンドリンク 1upコラム編集部
執筆者:フレンドリンク 1upコラム編集部
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