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1UPコラム

「異業種交流会なんて行くな!」は本当か? 2015/01/29

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「異業種交流会なんて行くな!」は本当か?


異業種交流会なんて行くもんじゃない!?

異業種交流会を主催し始めて今年(※執筆時点:2015年)で15年目になります。
これだけ長いこと交流会を主催していると、異業種交流会に関する様々な意見を頂きます。

なかには「異業種交流会なんて行ってもまったく意味が無いよ!あんなもん行くもんじゃない!」と強弁してくる人もいます。
もちろん、その人は異業種交流会に参加したうえで言われているのでしょうから、個人の感想としてそれを否定するものではありません。

「はあ、そうですか」と(苦笑)。

人間の思考に及ぼすものの中で、「経験」というのは最も大きな影響を与えるもの。その考えを変えて頂くのは難しいかとは思います。しかし「異業種交流会は意味が無い!」と声高に叫ぶ人もいるので、その手の情報に触れ、参加したこともないのに「そういうものか」という固定観念をもたれている人に、ちょっと別角度からのお話をしたいと思います。

そもそも、異業種交流会とはどんなところなのか?

実はその定義は様々で、私が主催しているフレンドリンク異業種交流会では「ビジネスパーソンの出会いのきっかけ作りの場」としております。

いまでは「異業種交流会(パーティー)」と称して、婚活目的の人たちが集まる会も多く開催されているようです。
(私が交流会を開始した2001年当時はそういうのは無かった)

昔から、異業種交流会は
「ただ名刺を集めるため」
「何かを売り込みたい人の集まり」
という印象を持っている人は多くいます。
しかも、ある面ではそのような実態があるのも事実です。

ただ、理解いただきたいのは異業種交流会であれ何であれ、本来の目的は「人と出会う」ことなのです。

繰り返しになりますが、それを誤認して「名刺を集めるため」や「何かを売り込むため」だけ、自分のビジネスだけを目的に参加する人がいるのは確かです。

しかし、たとえ当初の目的がそうであっても、相手も「人」なんです。
こちらの話を聞くこともあれば、感情もある、その人にも友人・知人がいて、その人なりの知識や経験もあります。
もちろん、洋服も買えば食事もする、勉強もすればセミナーにも行くでしょう。すなわち消費者にもなりうるわけです。

たとえ自分のサービスを受け入れてくれなくても、こちらを話を聞いて励ましてくれたり、アドバイスをくれるかもしれない、助けになる人を紹介してくれるかもしれない。

たとえ相手から何のレスポンスももらえなくても、自分のビジネスやサービスの話を聞いてもらうことで、自分の頭が整理されるメリットもあります。

異業種交流会で出会った相手が「自分のビジネスを第一」と考えて参加していたとしても、その人を「無価値な人間」と考えるのは私は明らかに間違っている考え方だと思っています。

そして、私自身、これまで異業種交流会で何千人の方とお会いしてきて、そう(=無価値)ではないことをよく知っています。


人と人の出会いは決して一面的なものではない

もし、交流会で出会った相手が、「ビジネスに盲目」で、まったくもって自分のことしか考えていない相手だったら、その後はスルーすればいいし、出会ったその時点では「ビジネスに盲目」でも、見所があるなと思えば、逆にこちらがアドバイスしてその相手に気づきを与えてあげてもいいのではないでしょうか。

その結果、相手が数年後目覚しい成長を遂げる、なんてこともあります(実際に何人もいます)。

人と人の出会いは決して一面的なものではありません。

人と人が出会うことで生まれる「可能性」は無限大だと信じています。

もちろん、交流会に参加することで、出会った人すべてと素晴らしい関係に発展していくとは言いません。
むしろ、滅多にないといっても過言ではありません。

でも、出会わなければ一生お互い存在を知ることすらない他人。
でも、一度でも顔を合わせれば何かを生む出す「可能性」が生まれるのです。

だから人と出会うのは楽しいし、ウキウキもするのです。

そんな思いで交流会に参加していただけると、嬉しいなと主催者として思っています(笑)

「異業種交流会なんて意味が無い!」という方へ。

さて、ここまでは私自身の交流会に対する考え方を書いたわけですが、
「異業種交流会なんて意味が無い!」という方へ。

冒頭にも書きましたが、そういう考え方を否定する気はありません。
確かに「ビジネスの成果」という観点では「意味が無い可能性が高い」というのは私自身、拙著にも書いているくらいです。

異業種交流会は営業手法としては、それほど効果的ではありません。
それを知らずに「異業種交流会でガンガン仕事に繋げてやるぜ!」を息巻いて参加すると、「全然意味無い!」と期待が大きい分、落胆も大きいようです(笑)

その姿をあなたと会った別の参加者からどう見えているでしょうか?
「うわ~、自分のビジネスしか考えてないな・・・」なんて思われているかもしれません。
そう、あなた自身が、「ビジネスに盲目」である人というレッテルを貼られている可能性すらあります。
繰り返しになりますが、営業目的で異業種交流会に参加するのは効率的ではありません。

異業種交流会に参加して、出会った相手に何かを与えるとまでは言いませんが、少なくともフラットな気持ちで、できれば出会った相手に敬意を持てるくらいの余裕を持って参加してみると、異業種交流会もちょっと違った景色に見えるかもしれませんよ(笑)。





諏訪 功
執筆者:諏訪 功フレンドリンク異業種交流会 代表者 , 東京都
 フレンドリンク異業種交流会の創立者。2001年よりフレンドリンクを立ち上げ20年以上に渡り運営。「価値ある出会いを一つでも多く作る」をミッションに主にビジネスパーソンの出会いのプラットフォームを構築。
 Web開発・コンサルティング会社の株式会社アクセルメディアも20年間経営したのちM&Aにて売却。

著書:仕事もお金も情報もみんな『人』からやってくる(こう書房)
Amazon 書籍ページ

○フレンドリンク異業種交流会(創立者)
https://friendlink.jp

○株式会社アクセルメディア 創業者(元代表取締役)
http://axel-media.com

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