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1UPコラム

会社を潰しても従業員を想いやる経営者 2014/08/04

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会社を潰しても従業員を想いやる経営者
元記事:瀬野正博コラム「人情味の厚い経営者」 (マイベストプロ)
http://mbp-tokyo.com/mn-con/column/39330/
有限会社エム・エヌ・コンサル(認定経営革新等支援機関)
銀行融資コンサルタント 瀬野正博
http://www.mn-con.jp/


人情味に厚い経営者


人情味を辞書で調べると「人間としてのやさしさ、思いやり等の温かい心」とあります。誰でもそのようなやさしい・思いやりのある人は好きだと思います。

経営者ももちろんやさしさは必要ですが、やさしいばかりでは経営者失格の場合もあるようです

以前勤めていた会社のお客様で、何年にもわたって赤字経営が続き、長くても2年後には倒産することが間違いない会社さんがありました。

いろいろ経営改善策を検討しても、どうしても数名の従業員を解雇しなければなりませんでした。その従業員は明らかに能力的に低く、社長の兄弟ということで給料をもらっているような人たちでした。

しかし、社長は「あいつのところは、長男が大学に進学したばかりで、これからしばらくは金がかかる」、「こいつのところは、家のローンがまだ10年以上残っているんだよな」等と言って、全く人件費に手を付けない状態でした。そして、それから1年少し経った頃、その会社さんは倒産しました。

経営者自身も自分の会社の倒産が近いと感じてはいるものの、「社員が路頭に迷ってしまう」、「取引先に迷惑をかけてしまう」等の理由から、事業を無理に継続してしまうケースは結構多いといえます。けれども、このような一見すると社員や取引先にやさしい判断は、結局のところ傷口を広げ、迷惑をかける結果になってしまうことが多いのです。

1か月ほど前に、帝国データバンクの社員の方が講師をされたセミナーに参加したことがあります。その講師の方が、会社を潰しやすい経営者の特徴として、一番は「計数面が苦手な経営者」であり、その次に「人情味に厚い経営者」だとおっしゃっていました。経営改善策の1つとして、従業員の一部解雇の必要性があったとしても、人を切ることができなくて倒産につながるということでした。

本当に取引先や従業員のことを思うのであれば、事業の撤退は早ければ早いほどいいですし、逆に継続するにしても早期に対策を実行することが必要です。そして対策を早期に実行するときは、経営者は時に厳しい決断を下さないといけないのです。

(以上、転載)
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このところ、「ブラック企業」という言葉が出回っています。従業員の駒のように使い倒す経営者も一部に存在するのは事実ではありますが、このコラムに書かれているような人情味あふれる経営者も非常に多くいます。
特に創業経営者は「自分のことはさておき、従業員を守る」という人は多く存在します。
メディアなどの報道によって誤解しがちですが、創業経営者の大多数はそうなのではないでしょうか。

創業経営者は誰もが、経営が苦しい時期に直面します。
その時に「なんとか乗り越えられたのは従業員のお陰」と思うからです。

経営が苦しくても、従業員にそれを漏らすことなくジッと耐え忍び、努力を重ねる。
そしてそれを乗り越えたら「従業員のお陰」と感謝する。

それこそが日本の中小企業の経営者の姿なのです。

コラムにあるように会社を潰すことで傷口を広げては本末転倒ではありますが、ギリギリまで従業員を守りながら必死で頑張る経営者をより讃えたいものです。





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