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1UPコラム

中小企業、ベンチャー企業こそブランディングが必要だ!! 2018/05/23

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中小企業、ベンチャー企業こそブランディングが必要だ!!


「ブランド」って何だ?

 皆さんは、「ブランド」と聴いて、何を連想するでしょうか。ルイヴィトンやシャネルといった高級バッグ、ベンツやBMWといった高級車、或いは、SONY、Appleと言った有名大手企業などを連想する方が多いのではないでしょうか。たしかに、こういった社名等はブランドを代表するものであります。しかし、これらは、ブランディングは、大企業のものと言った固定観念であり、ブランドの一面を捕らえたに過ぎません。
 「ブランド」の起源は諸説ありますが、自分の家畜と他の人の家畜とを見分けるために、家畜に焼き印を押したことが、「ブランド」の起源とされています。このことを現在の企業に当てはめてみますと、ブランドは、自社と他社とを区別するための象徴であるということができます。
 つまり、「ブランド」とは、その企業にとっての個性であるといえます。言い換えると、「ブランド」とは、その企業の「らしさ」ともいうことができます。このように考えた場合、ブランドにとって大切なことは、自社の企業理念がにじみ出ていて、他社ではまねができないことであるといえます。
 知名度の低い中小企業、ベンチャー企業こそ他社との差別化を行って、数多くある企業の中から自社の製品・サービスを選択してもらうことが非常に重要になってきます。ブランドは、中小企業、ベンチャー企業にとって他人事であるとはいえません。中小企業、ベンチャー企業こそブランディングが必要であることがおわかりになって頂けると思います。


中小企業、ベンチャー企業はインターネットを活用せよ!

 ところが、「ブランド」は大企業のものであって、中小企業やベンチャー企業には関係無いと考えている中小・ベンチャー企業の経営者が非常に多いです。その理由の1つに、ブランディングを行うには、お金がかかるという認識があると思われます。確かに、大企業では、広告代理店に何千万円、場合によっては数億円を支払って、テレビCMを制作してもらい、ブランディングを行っています。中小・ベンチャー企業では、このようなことは到底実行することはできません。
 しかし、現在、メディアはテレビ等のマスメディアだけはありません。皆様もご存じのとおり、インターネットは、現在におけるメディアの中心的な役割を果たすようになっています。中小企業、ベンチャー企業は、インターネットをうまく活用することによって、コストを掛けずにブランディングを行うことができます。その際、ホームページ等のオウンドメディア、FacebookやTwitterなどのアーンドメディア、Yahoo、Google広告など費用をかけて露出するペイドメディアをうまく連携させて運用するとブランディングの効果がグッと高まります。


ブランディングの効果

 中小企業・ベンチャー企業のブランディングを行うことで以下のような効果を得ることができます。

(1)ファンを創ることができる!

 「ブランド」とは、自社の企業理念がにじみ出ていて、他社ではまねができない個性であると申し上げました。既存のお客様がその個性に共感していただくことによって、自社のファンになって頂くことが可能になります。自社のファンになって頂くことにより、リピーターになってもらえる可能性が高まります。また、見込み客が、その個性に共感していただくことによって、自社のかくれファンになり、見込み客が自社の顧客になる可能性も高まります。

(2)採用力をアップすることができる!

 中小企業、ベンチャー企業が自社にマッチする人材を獲得することは困難です。その一方で、ブランドが確立されていれば、自社の個性に共感する人材が集まってくる可能性が大いに高まります。すなわち、採用力がアップします。
 自社の個性に共感する人材は、給料が良い、立地が良いといったことで入社した人材よりも、会社を辞めてしまうリスクが低いといえます。すなわち、自社の個性に共感する人材は、その会社の個性に魅力を感じて入社しているので、給料や立地等の諸条件が少々劣っていても、その会社にいてくれる可能性が高まります。

(3)売上の向上を図ることができる!

 ブランドが確立されていないと他社の商品・サービスとの差別化がなされません。その場合、商品・サービスの提供を受ける側の人は、価格の安い商品・サービスを選択しがちです。その結果、提供する商品・サービスの価格を他社よりも低く設定しあう価格競争に陥ってしまいます。
 一方、ブランドが確立されている場合、その企業のファンが商品・サービスを購入してくれます。ファンは、安いからその商品・サービスを購入しているのではなく、その企業の個性に魅力を感じているから購入しているわけです。そのため、商品・サービスの価格が少々高くても、ファンはその商品・サービスを購入してくれます。その結果、売上の向上を図ることができます。

(4)営業利益の向上を図ることができる!

 売上総利益(粗利)は、売上から売上原価を差し引いたもので、営業利益は、売上総利益(粗利)から販管費を差し引いたものです。販管費の中には営業コスト等の販売管理費が含まれます。
 受注を得ようとする場合、営業活動を実施してお客さんを獲得することが必要です。自社のブランドが確立されていない場合、この営業活動に大きなコストがかかってしまします。ところが、ブランドが確立している場合、お客様から自社の商品・サービスに寄ってきてくれます。そのため、販管費を大幅に抑えることができます。その結果、営業利益の向上を図ることができようになります。
 他にもブランドを確立することにより得られる効果は種々ありますが、上述したものが代表的な効果です。

 いかがでしょうか?
中小企業やベンチャー企業にとってもブランディングはとても重要であることの意義を分かって頂けたとおもいます。中小企業・ベンチャー企業の経営者の皆様、今すぐにでもブランディングに取りかかって下さい。






松野 雅弘
執筆者:松野 雅弘弁理士/MTI特許事務所 , 東京都
MTI特許事務所パートナー弁理士

現在、特許出願や商標出願等の業務に携わる傍ら、首都大学東京ビジネススクールにて企業経営について学んでいる。
大学では機械工学を専攻し、1989年に大学を卒業。大学卒業後は、建設機械メーカーで品質管理、品質保証の業務に7年半従事。その後、都内の特許事務所に転職し、特許出願や商標登録出願の業務に携わる。
当時から特許出願や商標登録出願前には、クライアントにとって有意義な権利を取得すべく、クライアントが行った発明や商標について入念な打ち合わせを行うことを心がけている。
2007年~2009年の2年間、法科大学院で法律を学び、その成果を活かし、現在では、紛争にも耐えることができる強い権利を成立させることに気配りすることや、紛争が生じないようにクライアントにアドバイスをしている。

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