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「曖昧さが自由の証」~フリー編集者の田谷 裕章さんに伺いました 2024/01/24

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「曖昧さが自由の証」~フリー編集者の田谷 裕章さんに伺いました


 本をつくる編集者になりたい、しかもフリーランスで仕事が出来たら!と思う方はいらっしゃると思います。

 ただ編集者になるのは難しそうですし、ましてやフリーで働くなんて…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 そこで昨年秋にフリーの編集者になった、田谷 裕章さんにお話を伺いました!

田谷くん


しつこくお願い

 フレンドリンク編集部(以下編集部)「田谷さんが就職する時は『就職氷河期』と言われていて、出版社に入るのは大変だったと思うのですが、編集者になったいきさつから教えてください。」

 田谷さん「はい、僕は絵本をつくる仕事がしたいと思っていたのですが、美大に進学していませんでした。

 でも絵が好きで学芸員の資格を取ろうと思い、そのためには、美術館での実習をしないとならないのですが、美大ではなかったので、実習を受け入れてくれる所がありませんでした。

田谷くん

 でもしつこくお願いをして、受け入れて下さった美術館がありました。

 そして、そこでの実習で、本をつくるプロセスを手伝うことがあり、それで(就職先は)出版もいいなと思いました。」


知り合いの『つて』

 田谷さん「でも出版社の求人は少なかったです。

 でも知り合いの『つて』で、朝日新聞の出版局の契約社員にもぐりこむことができました。」

 編集部「学芸員の実習もお願いをして受け入れてもらっていますし、就職先も人づてとは…田谷さんの人柄なんですネ?」

 田谷さん「タイミングは、あったと思います。

田谷くん

 試験の課題が、あなたが影響を受けた作品は何ですか?というもので、僕はデュマ(19世紀フランスの小説家、劇作家)の三銃士と書いたのですが、それを読む担当者がたまたま仏文学専攻だった方でした。

 それと常に編集者は足りていないので、スキルは経験で身につけることができると思います。」


自分の表現をしたい

 編集部「その後PHP研究所の出版部門に勤務されたとのことですが、フリーになろうと思われたのは、なぜでしょうか?」

 田谷さん「やはりどうしても、つくるものに妥協をしなくてはならない時がありました。

 売れるが正義ですから。

田谷くん

 でも歳をとって、自分がつくりたいと思うものをつくりたい、という気持ちが強くなりました。

 自分の表現をしたいのだと思います。」


生きる原動力

 編集部「写真集を出されたそうですね?」

 田谷さん「はい、『虹色社(なないろしゃ)』さんから、『蜃気楼の街』という書名で、出させて頂きました。

 掲載した写真は、地に足のついていない、不安定でゆらいだものばかりで…見えるようで見えていない、見えていないようでそこにある、僕にとっては、その曖昧さが自由の証であり、生きる原動力になっていると思っています。

田谷くん

 それから虹色社さんは、まさにオーダーメイド出版で、極端な言い方をすれば1冊からでも本を作ることができます。少部数なので、より自分の理想に近い本作りが可能です。

 今回出版をするにあたって、代表の山口さんが寄稿もして下さりましたが、山口さんはとてもあたたかい心の方です。

 部数は少なくてもいいので本をつくりたいと思う方は、ぜひ相談を頂けたらと思っています。」

 編集部「本日はありがとうございました。

 今日のインタビュー記事は、素敵な田谷さんが撮られた写真ばかりにしたいと思います!」

 田谷さん「恥ずかしいですけど、よろしくお願いいたします。

 こちらこそありがとうございました!」

田谷くん


今回お話を伺ったのは

田谷くん

田谷 裕章さん
https://www.facebook.com/taya.hiroshima

朝日新聞の出版局やPHP研究所の出版部門勤務を経て、
2023年フリー編集者として独立し
虹色社から約7年撮りためたものをまとめた写真集『蜃気楼の街』が出版される。








フレンドリンク 1upコラム編集部
執筆者:フレンドリンク 1upコラム編集部
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