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1UPコラム
どっちの団体にする?「一般社団法人」と「NPO法人」 2016/04/15
法人を設立するメリット
行政書士としてよく受ける質問で「一般社団法人とNPO法人、どちらの団体にするのが良いですか?」というものがあります。世の中には、いろいろな任意団体がありますね。しかしながら、第三者からみると
なかなか信用しにくいのが実状です。
それに対して、法人格のない任意団体ではなく、法人を設立すると通常は、それだけで信用が増します。なぜなら、法人名で登記することや、契約を結ぶことが出来るようになるからです。
それが、一般社団法人やNPO法人を設立するメリットとなります。
一般社団法人とNPO法人の違い
まずは一般社団法人についてですが、社団とは、人の集まりのこと。社団法人は、この人の集まりである団体に、法人格が与えられたものを言います。
株式会社は1名で設立が可能ですが、一般社団法人は、最低でも2名の社員が必要です。
定款を作成し(営利目的か、非営利で行くかで定款の内容が異なりますので注意が必要です)認証を受け登記をすれば設立できますし、出資金も必要ありません。
必要なのは、印紙代4万円と登録免許税6万円です。
一方、NPO法人と聞くと、ボランティア団体?といった印象を持たれている方も多いみたいですね。特定非営利活動法人ときくと収益を上げてはいけないと思われがち。
実は、利益を出していいのです。事業を行うには、資金が必要になるので、無償で活動するのは、困難です。
一般社団法人は2名の社員が必要ですが、NPO法人もはやり1人では設立できません。
まず、理事、監事、社員が必要になります。そして、理事は3人以上、監事は1人以上
置かなくてはなりません。つまり合計4人以上の役員がいることが必須です。
さらに、NPO法では、最低10人以上の社員がいることが条件になります。役員と社員は兼務が出来るので、役員4名を社員とすれば、ほかにあと6名を集めれば、要件を満たします。
ですので、自分一人で主導権を握っていたい人には、不向きです。途中仲違いになって分裂してしまうとか、連絡が取れなくなってしまう方が出てくるなど、人的トラブルもよくあると聞いています。同じ志や目的を持って始めるわけですから、社員間のコミュニケーションが重要ポイントになります。
NPO法人は、一般社団法人のように、印紙代や登録免許税などはかかりませんが、申請後、縦覧といって、一般市民にチェックをしてもらう期間があります。
それが済んだら審査期間といって、都道府県で認証の可否を審査する期間があります。その間およそ4か月かかると言われていますので、余裕をもって準備すること。
認証決定通知がきたら、その後は登記が必要になります。設立後は、決算書などは公開され、毎年都道府県に提出する義務も生じます。
社会的信用を得ることができる(もちろん活動内容によりますが)と言われていますが、
運営するには様々な事務作業も発生してきます。
以上、一般社団法人にするか、NPO法人にするか、それぞれの特徴と目的、将来のあり方また、メリット・デメリットを踏まえ、決めていくと良いでしょう。
平成10年度行政書士試験に合格するも、双子の子育て中心の生活スタイルを崩さず。
子どもたちの中学入学を機に、独立開業を決意。許認可申請、法人設立、創業融資など起業支援を業務とし、セミナーなどを開催している。
【業務案内】
当事務所は、法人設立(株式、一般社団、NPO)、運送業・建設業等許認可申請及びコンサルティング、創業融資などの起業支援、相続・遺言を主な業務としています。
【事務所HP】http://kigyo.office-moroi.com/