1UPコラム
価格と客層の関係 2016/10/27
価格を下げるメリット
どんな業界でも、売上が停滞もしくは減少すると、価格の見直しが検討されるでしょう。「今の価格は適正なのか?」「価格を下げた方が良いのではないか?」と。
特にサービス産業に於いては、価格競争が熾烈化しエリア全体で値崩れを起こし、
廃業へと追い込まれるケースが多い様に思われます。
私自身も何度もそういった施設を見てきました。
価格を下げる手段も様々で、老若男女を問わず幅広い客層をターゲットにしたクーポンを発行したり、会員を増やし囲い込む事も目的としたホームページ限定での会員割引などもそのひとつです。
価格を下げると、集客自体は一時的には増加します。それはメリットと言えるでしょう。
利用者の心理
日々、多くのゲストと接する中で感じる事は、「1円でも安く。なおかつ、最大のサービス、満足を得たい」という方がいかに多いかという事です。確かに、同じ施設に同じ時間滞在するのなら安い方が良い…その通りだと思います。
日々、色々なストレスと戦いながら一生懸命働いて得た給料から捻出した貴重なお金ですから。
価格と客層は比例するか?
今回のコラムの本題。私の答えは「Yes」です。低価格の店ほど、些細な事でご立腹されクレームを頂いたり、いわゆるUG(undesirable guest)の割合も高いと感じています。(もちろん全員ではありません。)
これは、あくまで私個人の感想であって、もちろん反論もあるかと存じますが、ゲストの「心の余裕」の少ない方が多い様な気がしてなりません。
低価格ゆえ予約が取りづらかったり、長く待たなくてはいけないといった事も起こります。
また受け入れる側も同様で、価格を下げて一時的に集客が図れても、薄利多売の状態で、きちんとしたサービスが提供出来ない状態であったり、きちんとした教育を施した人員を配置出来ない状態であっては、価格云々以前に店舗自体の成長、発展が見込めず、逆にデメリットにもなりかねませんし、価格と客層の比例が止まる事はないでしょう。
最後に、
ゲストが求める「非日常」と、お迎えする側の「最高のパフォーマンス」が完全にマッチした時、何とも言えないハッピーな空気に溢れた空間が生まれます。これだけは、価格と客層に関係なく、間違いないと断言出来ます。
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1973年生まれ 東京都出身
大学時代の飲食店でのアルバイトを通じ、サービス業・接客業に魅力を感じ、新卒で栃木県の温泉地にある大型観光ホテルに入社し、宿泊部門・予約部門・料飲部門を経験。
その後、宿泊特化型のホテルチェーンにて、オペレーション全般・営業・新規開業・地方のホテル再生事業に携わったのち、温泉テーマパークの、団体セールス・館内オペレーションに従事。
現在は、シティホテル・バンケットの営業、企画を担当。