ワンランク上を目指すビジネスパーソンのための1UPコラム

トップぺージ > 1UPコラム > 知っておきたい医療費の範囲(確定申告での医療費控除で節税)

1UPコラム

知っておきたい医療費の範囲(確定申告での医療費控除で節税)2017/02/24

view 1820
知っておきたい医療費の範囲(確定申告での医療費控除で節税)


医療費控除とはどのような制度?

 ご自身又はご家族などの親族の医療費を支払った場合に、同一年に支払った医療費の金額(保険金、損害賠償金などで補てんされる部分の金額を除きます。)の合計額が10万円(ご自身の所得金額の5%が10万円未満の場合は所得×5%※)を超えるときは、超える部分の金額(200万円を限度)を、所得金額から控除して所得税の計算をすることができます。 これを医療費控除といいます。
確定申告をすることで、この制度を使うことができます(年末調整ではできません)。住民税も同じ扱いですので、節税になります。
一口に医療費といっても、例えばマッサージやハリ代は?入院時の差額費用は?健康保険のきかない歯の治療は?など対象に含めて良いのかどうか、判断に迷うケースも多々あります。
国税庁HPの「質疑応答事例」では、医療費控除について、約60点の事例が掲載されています。興味のある方はご覧ください。「質疑応答事例」-「所得税」-「所得控除」No.6-63になります。

※収入が会社からの給与だけの場合は、給与収入が年310万円位までだと、所得金額×5%<10万円となります。


医療費の定義

 控除できる「医療費」とは、治療(医薬品の購入も含まれます)、施術、療養上の世話、分娩の介助に係る費用です。所得税法では「次の費用のうち、その病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とする。 」と定めています。(所得税法施行令第207条)
・医師又は歯科医師による診療又は治療
・治療又は療養に必要な医薬品の購入
・病院、診療所又は助産所へ収容されるための人的役務の提供
・「あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」に規定する施術者などによる施術
・保健師、看護師又は准看護師による療養上の世話
・助産師による分べんの介助
・介護福祉士による喀痰吸引等など


人間ドック、美容整形は対象とならない

 治療のための費用ではないので医療費に該当しません。ただし、健康診断により、疾病が発見され、その後治療をすることとなった場合は、健康診断の費用も対象となります。
インフルエンザ予防接種も治療ではないので、対象外です。


通院費用(電車代)を忘れてはいませんか?

 通院費用(電車、緊急のタクシー代)も、治療のための費用として対象になります。ただし、駐車場代や、自家用車で通院した場合のガソリン代は含まれません(事例No.41,42)。電車代は、往復@400×10日などと、集計表に記載すればOKです。
遠隔地から通院するための交通費も、必要であれば、対象となります(No.39)。


差額ベッド代も医療費と認められる場合もあります!

 いわゆる差額ベッド代は、自分の都合で使用した場合は対象外(事例No.32)ですが、医療費に含めることができるケースもあります。例えば、重病で静かな環境が必要なため、高齢のため、緊急で空き部屋がなかったりして、医師が、特別室が(治療に)必要と指示をした場合です。領収書に、そのことをメモして提出すれば大丈夫だと思います。
社会通念上、認められる事情であれば、対象外といわれることはありません。(今まで税務署から「違います」と言われたことはありませんでした)。
なお、入院給付金(生命保険など)を控除後の金額が対象となります。お忘れのないように、ご注意ください。


診断給付金は、医療費を補てんする保険金にはあたりません!

 高額療養費や、生命保険からの入院給付金は、医療費を補てんする給付金として治療費や、入院費から控除しなければいけませんが、診断給付金は、治療に係る費用を補てんするものではないので、医療費から差し引く必要はありません。
例えば、ガンが発見された場合に、ガン保険から「診断給付金」が下りても、ガンの治療費から差し引く必要はないのです。所得税も、もちろん、非課税になります。
安心して治療を受けてくださいね!


出産費用

 健康保険組合や共済組合などから出産育児一時金や家族出産育児一時金又は出産費や配偶者出産費などが支給されるので、その金額は医療費から差し引かなければなりません。(タックスアンサーNo.1124医療費控除の対象となる出産費用の具体例)
そのほか、出産費用に係る費用の扱いは、以下のようになります。
・出産までの定期検診の費用・・・〇(事例No.16)
・無痛分娩講座の受講費用・・・医師の診療ではないので×(No.18)
・助産師が行う保健指導・・・〇(所得税基本通達73-7)


歯の治療

 金やポーセレンを使用した歯の治療は、健康保険の適用がないので、金額が大きくなります。医療費控除できないのでは?と考えている人も多いようですが、一般的に治療に使用されている材料なので、医療費控除ができます(事例No.8)
また、歯列矯正については、小さなお子さんの不正咬み合わせを矯正するための費用であれば対象となります(事例No.9)

なお、未払いの医療費は、控除の対象にはなりません(No.52)。
例えばH28.12月に治療を受けて、翌年1月に支払った場合は、H29年の所得から控除しますので、ご注意ください。


※本記述は税務に関する取り扱いについて簡潔に要約したものであり、記載内容の正確性、完全性を保証するものではありません。また当記事執筆時点(2017年2月)と、内容が異なっている場合もあります。税務における詳細な規定や取り扱いについては、専門家に相談されることをお勧めします。本サイトは利用者が被ったいかなる損害について一切の責任および義務を負いません。





寺崎 直子
執筆者:寺崎 直子寺崎法律会計事務所 代表 , 東京都 千代田区麹町
昭和63年3月に損害保険会社を退職後、結婚。
平成元年に税理士事務所へパートとして勤務のかたわら、税理士試験の勉強を始める。
平成4年に、最終合格し、平成11年、先代の引退に伴い、お客様を一部引継いで
独立開業して、現在に至る。

主人との2人暮らし。趣味は、バードウォッチング。ですが、なかなか時間がとれません。
そんな時は、我が家のおしゃべりインコ(ヨウム)をウォッチングしています。
出勤するときは、「いってらっしゃい」というので、とても可愛いです。
(かまってあげないと言いませんが・・)
色々面白く、時には怒りながら、一緒に暮らしています。