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決算書(BSとPL)の読み方[1]2017/04/27

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決算書(BSとPL)の読み方[1]


 計算書類とは、会社法・会計の用語で、会社の利益を算出し確定するために作成される書類のことをいいます。
 計算書類を作成するのは、主に決算時(事業年度開始の日から、終了の日まで)です。「貸借対照表(BS)」、「損益計算書(PL)」は、その計算書類の1つで、会社の営業活動の成果を金額で表す大事な書類になります。
 今回は、このBSとPLについて、ざっくりと、ご説明したいと思います。


決算書の用途

 決算書は、おおざっぱに言うと、1事業年度の経済活動を記録(仕訳といいます)→集計して作成されます。おおむね(会社法の規定による)会社計算規則によります。
 株式会社であれば、株主総会の承認などを受けて、決算が確定するので、1年間の営業活動の成果を数字で表す大事な書類です。
 その決算書をベースにして納税するための申告書を作成したり、また、銀行から借入をしている場合には、銀行へ提出する資料にもなります。
 借入をしている場合には、決算書の内容で、借入利率が変わる場合もあります。

貸借対照表(BS)とは?

 BSは、ある時点(通常は事業年度末日)における、資産、負債、資本(純資産)の状態を表す書類です。資産は左側に、負債及び純資産は右側に表示され、左側の合計と右側の合計は必ず一致します(資産=負債+純資産)。ですので、バランスシート(Balance sheet)とも呼ばれます。
 例えば、会社を設立した時点でのBSは、資産=預金10万円 負債=0円 純資産=資本金10万円などとなります。 (資産=負債+純資産)
 次に、売上が3万円、現金入金された場合には、資産=預金13万円 負債=0万円 純資産=資本金10万円+利益3万円→13万円 になり、これも13=0+13万円です。
この場合、「売上」の科目はBSではなく、PLに表示されます。
BSに表示されるのは、当期利益3万円(売上(3万円)-費用(0円))です。

損益計算書(PL)とは?

 BSが、ある時点(事業年度末日)の財産、負債などを表す書類であるのに対し、損益計算書は、ある一定の期間(事業年度)の収益と費用の発生額を表す書類です。Profit and Loss Statementを略して、PLとも言われます。BSとPLは、複式簿記と言われる手法により同時に作成されるため、「当期純利益」は必ず一致します。
 先ほどの説明で、売上が3万円あった場合には、PLの「売上高」に3万円と表示されます。費用は0円なので、利益は3万円になります(BSの利益と同じ)。
PL科目から利益を計算した方が、わかりやすいですね。

BSの科目の異動だけでは、損益は発生しない

 ある、1つの取引をしたときに、その会計処理(仕訳)で、使用する科目が、BSにある科目なのか、PLにある科目なのかを、目安でも知っておくと、便利です。
 1つの取引でBSの科目しか使わないのであれば、損益は発生しません(例 下記①、⑤)。仕訳でPLの科目を使う場合に、損益が発生します。
お手元に決算書があれば、BSにはどのような科目が、また、PLにはどのような科目があるのかを、少しでも見慣れておくとおおまかな利益の把握が楽だと思います。

具体的例示

会社を資本金10万円で設立した。 利益 なし 
BS  (資産-預金)10万円   (純資産-資本金)10万円

次に、家賃2万円を支払い、同時に敷金1万円を支払った。 利益 △2万円
BS  (資産-預金)7万円    (純資産-資本金)10万円
   (資産-敷金)1万円    (純資産-当期利益)△2万円
   (計)  8万円       (計)    8万円
   *敷金は、退去するときに戻る契約になっているので、資産科目です。

PL  (家賃) 2万円  →当期利益 △2万円

次に、売上3万円を現金で受け取った。 利益 3-2万円=1万円
BS  (資産-現金)3万円    (純資産-資本金)10万円
   (資産-預金) 7万円    (純資産-当期利益)1万円 *
   (資産-敷金) 1万円
    (計)  11万円 (計)    11万円
    *②の当期利益△2万円+③の売上3万円

PL  (家賃) 2万円
   (売上) 3万円   →当期利益1万円

次に、掛け売りで8万円が発生した。 利益 3-2+8万円=9万円
BS  (資産-現金)3万円     (純資産-資本金)10万円
   (資産-預金) 7万円
   (資産-売掛金)8万円    
   (資産-敷金) 1万円     (純資産-当期利益)9万円
     (計)   19万円        (計)    19万円

PL  (家賃)2万円
   (売上)11万円(③の3万円+8万円) →当期利益9万円

銀行から7万円を借り入れた。
BS  (資産-現金)  3万円    (負債-借入金)   7万円
   (資産-預金)  14万円
   (資産-売掛金) 8万円    (純資産-当期利益)10万円
   (資産-敷金)  1万円     (純資産-当期利益)  9万円
        (計)    26万円        (計)    26万円

PL  異動なし(当期利益 ④のまま9万円)

 BSは、常に資産と負債+純資産が一致し、また、BSとPLの利益は常に一致することがご理解いただけたら幸いです。
 簡単な例示ですが、少し親しんで頂くと、決算書も、より見やすくなるとも思います。





寺崎 直子
執筆者:寺崎 直子寺崎法律会計事務所 代表 , 東京都 千代田区麹町
昭和63年3月に損害保険会社を退職後、結婚。
平成元年に税理士事務所へパートとして勤務のかたわら、税理士試験の勉強を始める。
平成4年に、最終合格し、平成11年、先代の引退に伴い、お客様を一部引継いで
独立開業して、現在に至る。

主人との2人暮らし。趣味は、バードウォッチング。ですが、なかなか時間がとれません。
そんな時は、我が家のおしゃべりインコ(ヨウム)をウォッチングしています。
出勤するときは、「いってらっしゃい」というので、とても可愛いです。
(かまってあげないと言いませんが・・)
色々面白く、時には怒りながら、一緒に暮らしています。